Shaji Guide
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菩薩 · Sahasrabhuja

千手観音

せんじゅかんのん

菩薩Sahasrabhuja

千本の手にそれぞれ眼を持ち、あらゆる衆生をもれなく救済するとされる観音菩薩の変化身。無限の慈悲と救いの力を象徴する、日本で最も信仰を集める観音のひとつ。

Description

千手観音(千手千眼観世音菩薩)は、7世紀にインドで成立した『千手千眼陀羅尼経』(正式には『千手千眼観世音菩薩広大円満無礙大悲心陀羅尼経』)を根本経典とする。この経典が中国に伝わり、唐代の伽梵達磨によって漢訳されたことで広く知られるようになり、やがて日本へも伝来した。 千の手はあらゆる衆生に手を差し伸べる無限の救済力を表し、それぞれの手に宿る眼はすべての苦しみを見通す智慧の目を意味する。「千手千眼」という表現は文字通りの千ではなく、無量・無限を示す象徴的な数であり、どのような願いも、どのような苦境にある人も、一人残らず救い取るという大慈大悲の誓願を体現している。 日本では奈良時代に伝来して以降、密教の隆盛とともに深く根付き、平安時代には朝廷や貴族の篤い信仰を集めた。西国三十三所観音霊場の多くの札所で本尊とされるほか、坂東三十三観音・秩父三十四観所を合わせた百観音巡礼においても中心的な尊格として崇められ、今日まで民衆の信仰を広く集め続けている。 造像の歴史も古く、名品が各地に伝わる。京都・蓮華王院(三十三間堂)には1001体の千手観音立像が安置され、そのすべてが国宝に指定されるという空前の規模を誇る。大阪・葛井寺の千手観音坐像は奈良時代作で日本最古とされ、実際に1041本の腕を持つ写実的な表現で知られる。これらの像は千手観音信仰の広がりと、造仏技術の粋を伝える貴重な文化財である。 現代においても千手観音は病気平癒・縁結び・家内安全など多岐にわたるご利益をもたらす仏として、老若男女を問わず親しまれている。その姿は絵画・彫刻・舞踊など様々な芸術表現にも影響を与え、日本文化に深く溶け込んだ存在となっている。

Iconography

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通常は42本の腕を持つ姿で表され、2本の合掌手を除く40本がそれぞれ25の世界を救うとされ、合計で千手を象徴する。頭上に十一面を戴く形式(十一面千手)も多く、各手には蓮華・錫杖・羂索・宝瓶など様々な持物を執り、眉間や手のひらに眼(化仏眼)を表すことが特徴である。

Benefits

🙏 Spiritual Benefits: 千の手と眼であらゆる願いに応じるとされ、現世利益のご利益が特に広く信じられている。病気平癒・延命長寿・夫婦円満・縁結びから、厄除け・家内安全・商売繁盛まで、ほぼすべての苦難に対応する「万能の観音」として篤く信仰される。

Mantra

おん ばざら たらま きりく

Famous Temples

🏛️ 三十三間堂

京都府京都市

1001体の千手観音立像(国宝)

🏛️ 清水寺

京都府京都市

本尊は千手観音。33年に一度のご開帳

🏛️ 葛井寺

大阪府藤井寺市

日本最古の千手観音坐像(国宝)。実際に1041本の手を持つ